【1st JPBA Championship】2002/12/14〜15

<<決勝編 1>>

会場はハッピーワールドです。ここで16からベスト4までの2回転します。
前のページでお話しした「え!?」という出来事ですが、16名での抽選の結果
奥村、利川、桧山、高橋、川端」の5名がトーナメント表の左半分に固まってしまったのです。予選の振分けはランキングに反映したものでしたが、そこからあがってきたのにこれは少し辛いです。

熱い試合は奥村−川端戦だったそうで、川端6発のマスワリを含めて殆ど撞かせずで勝ち上がりです。川端プロの最終マスは6番くらいで奥村プロが白タオルをテーブルに投げ込んで終わったそうです。

さて、僕は特設会場の試合に行ってきたわけですが、ここでは準決勝が行われていました。組み合わせは川端−利川、戸田−山本です。


会場の雰囲気(写真左はじのあたりが上の看板とかがある所になります)

川端−利川戦ですが、3−8のビハインドから取りきりで4−8、マスワリ3連発で7−8とあと一歩までおいあげた利川プロ!渾身のブレイクで配置は1番がぎりぎりコーナーへ厚みがある程度。1を入れて2がペラッペラな玉になるもここで根性一発カットに行きます。しかし、新ラシャの特性とでもいいましょうか、クッションに入った手玉はスリップぎみにのびで4番の奥にカスってスクラッチしてしまいます。「たられば」はないですが、スクラッチしていなければ恐らくマスワリでそのまま川端プロに撞かせる事なく終わっていたかもと思うとびびります。利川プロ、取り敢えずシュートミスはありません。恐ろしい。。。

この1番を入れて7に当ててポジショニング

ペラッペラの2番をコーナーカット

右上の4番に当たってスクラッチ

戸田−山本戦も、山本プロ2−7(くらい)ビハインドから7−8まで追い上げますが最後はブレイクスクラッチ。これを1−9キャノンで戸田プロの決勝進出が決まります。風邪を引いているのか、何かを仕込んでいるのか戸田プロは終始マスクをして戦ってます。

この試合の合間か前ですが、事件が勃発します。
P−Styleの上の階に住居を構え、今やすっかりビリヤードよりもダーツに夢中の台湾からの留学生、温(オン)君が山本プロに直接
「ちびったんじゃない?」と言ってたそうです。すごい無敵や。。。。。。。

→温君

約40分後の17:30、両選手の紹介から始まった決勝戦。場内はビリヤードファン、一般の買い物客などで300人くらいは常時見守ってます。通りすがりをいれたら1000人は目にしたと思います。僕らは吹き上げの2階を陣取って観戦です。


ファイナリストの2人

※写真はブレイク後の配置です

1セット目 戸田プロブレイク後、1ボールミス。川端プロがセーフティいくも少し見えてしまう。これを戸田プロ1−9キャノン!会場が沸きます。
2セット目 戸田プロブレイク後、2番セーフティ。川端プロ、おかえしに2−9キャノン!好勝負が予想されます。
戸田(1)−(0)川端 戸田(1)−(1)川端

戸田さんといえば、そのコワモテの風貌も有名ですが、世界的にも多分数年前までは藤間さん、奥村さんの次くらいに有名なプールの選手で(そのきっかけになった逸話を失念^^;)基本的にはしっかり芯を捉えてかけひきよりもマッコウ勝負をしている印象のプレイヤーです。10年以上前の東京渋谷CUEでのナントカオープンの時、関川賢二プロとの対戦で、「あちょー!あちょー!」とフルショットの連発で、とばしかたも豪快である種「なめすぎちゃう?」と思うプレイをしてたのを思い出しました。その時は「関西のプロっちゅうのは恐ろしい人(まんまの意味で)が多いなぁとか思ったものです。

対する川端プロですが、キュー切れもブレイクも、そして見た目の優男な感じと僕の中ではずっと目指すプレイヤーというプロです。その行き足と勢いは無敵とも思えますが、やはりプロの性でしょうか?「ほ〜なるほど、よう考えとるわ。さすがトッププロやなぁ。入れいちとかちょうもんなぁ」という風に見られるプロになりたいのかなぁ?と思うようなプレイスタイルに変身してしまう時があるのです。
そうしたモードの時はネキストのポジションやフリを何度も確認したりするので、ショットに入るまでの時間がぐぐぐっと遅くなるのです。今まで見た中でも、「本当に強いし、うまい」と思ったのはサクサク撞いている時でした。ワンミスでノーチャンスのゲームになりつつあるトッププロのナインボールですが、そのワンミスをしない為に、じりっとしたゲーム展開になるのは寂しいので、是非共川端プロには見ていて手に汗が滲むようなプレイでなく、スポーツの汗に近い汗をかく事の出来るプレイスタイルの第一人者のようなプレイヤーになって欲しいと思ってます。

とまぁ、そうした先入観があっての上だったので、1セット目のキャノンが決まった時、戸田プロの勢いが一挙に出て好ゲームの予感です。
川端プロも準決勝のようにスっとはいけてないです。どちらかといえばショットの合間の時間が
長く感じるのです。
良い時は誰でもそうだと思うのですが、同じ時間を使って構えにお入っても、それが長く感じる時と、テンポ良く感じるのとはその後のショットの精度にも表れると思います。

なんと川端プロ一番殆どサイドまっすぐの玉をはずします。しかし結局川端プロがとりました。 ここもとり切れなかったが、川端プロがとった。 ここもなんしか川端プロ
戸田(1)−(2)川端 戸田(1)−(3)川端 戸田(1)−(4)川端

4ゲーム目のこの一番も次の玉へのフリを何度も確認し、「ん?まだかなまだかなぁ〜」と思うくらい撞かなかったのです。勿論入れる事には何の不安もないし、細かい玉の精度を高めるより、逆フリでもドテでもどりゃーーっと決めて、あとの出来た配置をチョイチョイチョイと仕上げるスタイルの方がここ一番盛り上がるだろうし、それが出来るプロって多分川端プロ含めて数人しかいないと思うので、日本のプレイスタイルのベーシックを変えるつもりで確立していって欲しいなぁとか思います。
正直前半戦は、最初の2マスが見所で、その他はセーフティしようが何しようがとにかく流れを掴んだ方にミスが出て。。。。という展開だったので客もだれてきます。

戸田(2)−(4)川端 戸田(3)−(4)川端 戸田(3)−(5)川端
疑惑のラック

キューを畳んじゃったの?とも見える川端プロの不調ぶりは戸田プロにも有利にはたらきます。シュート、キュー切れともに川端プロに若干のビハインドをとる戸田プロですが、そのキャリア、思い切りのよさが「ここがポイントだ」と読み切らせます。するするっと追い上げてさぁ追いあげムード満々!なんとなく川端プロもミスり、戸田プロの当たりがマッチしてきた4−3から4−4にいけるマスです。客もおー戸田さんくるんちゃうかというボルテージを受け止めてくれたのか、戸田プロ今日一番のヒットのブレイク!激しい音とともに玉が変わったの?と思えるくらいの先玉の動きの鈍さ・・・・

「ガチマスだ…」

「かたぁ〜」「うひょ〜」「手に響くぅ」と僕の周囲でも静かなざわめきの波が広がります。しばらくじれったい展開ながらもチャンスを掴んだ戸田プロは4番からの作りかたが難しくミス。川端プロがとります。ここで4−4に追いついてしまったら実に面白い展開だっただけに妙に目立つガチでした。
次のページに行きますが、実は9−5で終わるのですが、全ブレイク後配置をおさえた筈ですが、どれか抜けてます。とりあえずどうぞ。



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